ACFE 第21回アニュアルカンファレンス参加報告(3)

3.旅程、料金、宿泊費など
①参加費用
 フル・カンファレンスに参加すると、ACFEメンバーの早期申し込みの場合$1,295かかります。ところが、D-Questの脇山社長がACFEに交渉して「ACFEジャパンのスペシャルレート」を毎年獲得してくれています。このレートは$995となっています。
 私の場合、ポストカンファレンスには日程の関係で参加出来なかったのですが、スペシャルレートだとプレカンファレンスとメインカンファレンスを単体で申し込むより安いという状態でした。
 なお、毎年抽選による当選者は次回の参加費用と旅費の一部が無料になるという企画もあります。人ごとと思っていましたら、今回ACFEジャパンから参加された石原さんは昨年これに当選され、その権利を行使して参加されたそうです。

②宿泊費用
 Gaylord National(ゲイロードナショナル)というコンベンションホール併設のリゾートホテルが宿泊先です。このホテル、ワシントンDCエリアであることをアピールしていますが、実はワシントンDCからは割と遠く、メリーランド州に所在しています。
 割と広いツインの部屋を出て一度ロビーに降り、建物の中を移動すると3分と係らずコンベンションセンターに入れます。
 建物内はどこも強烈にエアコンが効いており、当時日本以上だった外の暑さを全く感じることがありませんでした。温暖化防止などどこ吹く風といった感じです。
 宿泊費は、カンファレンス参加者の特別レートということで一泊通常$239のところが$209(これに消費税$33.44とリゾートフィー$15.9が追加される)×4泊となっています。高いようですが、ここの場合はこのホテルに泊まるのが移動を考えるとベストのようです。
 概して、幸いというか円高なのもあって、参加、滞在費用等はあまり負担感がありませんでした。

③旅費
 太平洋線が14時間~15時間係りますので、疲れを考えてビジネスにするとどうしても割高になってしまいます。仕事や旅行など「ついで」のある方ならちょうど良いと思いますが、私のようにこれだけが目的の場合は結構予算的にきついところです。ツアーを組み合わせるなど、ちょっと工夫が要るかもしれません。

④食費
 カンファレンス参加費には、ウェルカムパーティ参加費やほとんどの日の朝食、昼食が含まれています。それ以外の夕食などについては別途となります。

<参加しての感想>
1)カンファレンスの内容
 皆さんもお気づきと思いますが、まずは「セッションの数が多い!」ことに驚かされます。申し込みの際は、いろいろなセッションの選択を迷いながらも「まぁ埋め草的なものもあるんだろうな」と漠然と感じておりました。
 ところが、参加してみると大間違いでした。少なくとも私の受けたセッションは全て立ち見が出るほどの超満員でしたが、他の部屋も覗いてみた限り閑散としたところが全くありません。
 もっと驚くのはセッションの進め方です。ほぼ全てのセッションで、講師が精力的に喋ると同時に参加者から質問や議論が投げかけられ、ディスカッションに近い形式で進んでいきます。一般的に講師から参加者への一方的な情報伝達が主となっている日本のセミナーなどとは相当違うものを感じました。
 先にご紹介した岩田さんによると、この理由は、子供時代から学校でこういう授業の進め方をしていることが原因だろうということでした。

2)会場
 セッション数も多いためかなり広い場所、多くの部屋が確保されています。ただ同じ建物内に集中しているため、移動に苦労はありません。トイレや飲料、ソファなども十分に確保されていて、なかなか快適です。
 また時差の関係もあり昼からのセッションはかなり眠くなることもあったのですが、部屋に帰って仮眠してから出てくることも可能でしたので助かりました。
 ただ土地柄というか、周りに他の施設が少ししかない場所だったので、同時に観光したい人にとってはちょっと不便だったかもしれません。
 ちょっと疑問だったのは、セッション会場に置かれている椅子です。いわゆるアメリカンサイズの方々が相当数参加していたのですが、使われていた椅子は、日本のホテルで立食パーティの壁に置かれているあの椅子と同じようなサイズのもの。私でも少し窮屈なくらいなので、すし詰めな状態の受講は皆さん相当きつかったのではないでしょうか?

3)なぜ参加したか?
 実はラスベガスで行われた第20回に参加したかったのですが、スケジュールの都合でかなわず、今回が初となりました。
 日本はアメリカのように不正が多くない、という考え方が全くの幻想となりつつあるという現実は、企業経営や法務に関係する方のほとんどが理解しておられると思います。むしろ、先ほどご紹介した参加者との会話の通り、「不正を正視しようとしない」経営者がより多いことが本質ではないかと思います。
 米国などで注目を浴びているものが、間をおいて日本でも普及することは今でもありますので、不正関連業務についても今後の広がりが十分に予想できます。公認不正検査士という肩書きを外せばあまり期待したくない動きですが、残念ながら日本においても、今後不正関連業務は中小企業や個人に至るまで必要となる可能性が否定出来ません。
 私は現在、統制環境整備や不正リスクマネジメントをベースとした中小企業向け会計・税務業務の提供を計画していますが、そのためにも現在の日本で得られるより新しく、幅広く、深い情報が必要であると感じていました。
 この目的からみて、今回、たくさんのセッションを受け、関連企業の展示をつぶさに見ることが出来たのは大変良い経験でした。

4)ローカルチャプターとACFEジャパン
 ご存じの方もと思いますが、本来ACFEは世界単一会制を採っています。そして、各国・地方の会員単位として「ローカルチャプター」という下部組織が定められています。
 これに対して、これまた脇山社長を初めとする皆様のご努力で、日本のみ「ACFEジャパン」という独立した団体を設立し、ACFE本部とある意味対等に存在するという形となっています。この立ち位置が、おそらくスペシャルレートなどにつながっているのではないかと推察します。
 しかし、本当にこのままでいいのか、私には疑問が残ります。現在はACFEジャパンがマニュアルやFraudマガジンの翻訳など、日本語化に努力しておられますが、反面、不正調査と言う、「今後発展する可能性のある、幅広くチャンスのある仕事」について、例えばかつての会計の世界のように日本だけが日本語の壁に閉ざされていていいのかという疑問が以前からありました。
 今後は、ACFEジャパンという独立した組織のメリットは活かしながら、活発かつ力のあるローカルチャプターとしての活躍も進めていければ良いのではないかと思っています。

<来年について>
 第22回のアニュアルカンファレンスは、2011年7月12日~17日に開催されます。既に申込受付が開始されていますが、ACFEジャパン向けのスペシャルレートについては不明となっています。参加希望の方は、この発表を待ってからの方がよいかもしれません。

以上

(この3記事は、第3期関西不正検査研究会での発表資料をベースに作成されています)

コメントは受け付けていません。