「事例研究:ポンツィスキーム ~AIJ投資顧問事件、バーナード・マドフ事件~」(2/5)

2013年3月4日

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2.事例(1)-バーナード・マドフ事件

かつてナスダックの会長も務め、金融市場政策に関してアメリカ政府にも意見を求められるほどの大物、バーナード・マドフ(正確には「メイドフ」と発音するようです)が、長期間不正な手口で顧客投資家をだまし続け、最終的には数百億ドルという金融史上最大規模と言われる被害総額となる犯罪を成し遂げてしまいます。

 このマドフ事件は、「新規募集資金を配当に回す」というポンツィ・スキームとしては典型的な手口を取っていますし、その他の特徴もまさに「ポンツィ・スキーム研究の教科書」と言える性格を持っています。

 このパートにおいては、このマドフ事件を取り上げ、ポンツィ・スキームとしての研究を深めてみたいと思います。

1)事件の概要

①マドフの主張していた運用手法

ポンツィ・スキームの本質は、新しく受け入れた資金を投資に回さず、既存の投資家への配当に回す、いわば「自転車操業」的手法にあります。しかし、それを言ってしまえば当然投資家など集まりません。従ってどのようなポンツィ・スキームでも、必ず「表の投資スキーム」、しかも一般人にはわかりにくいほど高度かつ効果的に見えるスキームが主張されます。

この「表の投資スキーム」についてマドフは、自らが主に「スプリット・ストライク・コンバージョン」(SSC)と呼ばれる運用手法を採っていると主張していました。このSSCとは、以下のような考え方に基づく投資手法です。

  • まず数十種類の上場現物株(通常S&P100種などに連動する銘柄となることが多い)をバスケットで購入し、これらに対応するプット・オプションを買い、コール・オプションを売る。
  • この結果、現物株の配当金と、値上がり益が確保できるが、株価下落局面においては損失を限定することができる。

非常に難しいのですが、要するに株価下落による損失リスクをヘッジしながら、値上がり益と配当だけを獲得する、安全な手法だったというわけです。

この主張を裏付けるように、1990年代以降、エンロン、ワールドコム、グローバル・クロッシングなどの組込銘柄が経営破綻したのに、マドフのスキームは無傷であり、1993~2000年の87カ月間でマドフのファンドがマイナスとなったのはたった3カ月しかなく、驚異の投資パフォーマンスであると言われていました。

 

②実際の手口と被害拡大の原因

とは言うものの、このコラムでご紹介しているくらいですので、当然ながらマドフが主張する表向きのスキームは全くのウソでした。

結局の所は「得た金(の一部)を配当に回し、さも高額配当が得られるかのように見せる」、というまさにポンツィ・スキームの際たるものだったのです。

自転車操業的詐欺であるポンツィ・スキームは、新規投資者の増加が頭打ちになる、すなわちキャッシュフローが減少に転じればすぐに破綻の道を歩み始めます。これは支払うべき偽配当の原資がなくなってしまうからです。しかしながら、マドフのスキームは、数百億ドルという甚大な被害総額に至るまで、詐欺事件として明るみに出ませんでした。

このような異常な規模まで被害が拡大した理由は、素晴らしい経歴、広く高度な人脈、証券界などとの特殊関係といった「大きな信用」に帰するところが非常に大きいと言われています。また、監査、当局による検査などのチェック機能が十分に果たされていなかったことも、被害を大きくした原因のようです。

 

③発覚、逮捕、収監

結局のところポンツィ・スキームは、どのような場合でも同じような末路をたどります。つまり、規模が大きくなって拡大した配当や解約の支払が、新たに入ってくる資金でできなくなれば、そこでポンツィ・スキームは破綻してしまうわけです。

2008年12月、マドフは詐欺の罪でFBIにより逮捕され、証券取引委員会がマドフの会社の資産を凍結、調査に着手します。

2009年6月、地方裁判所はマドフに対して詐欺・資金洗浄などの罪で150年の禁固の刑の判決を下します。その判決に基づき、マドフはノースカロライナ州の刑務所で服役中と言われています。

 

④被害を受けた投資家、金融機関

規模が規模だけに、被害者のリストにも錚々たる個人名や金融機関が挙がっています。

  • ニューヨーク・メッツのオーナー フレッド・ウィルポン氏
  • ゼネラル・モータース(GM)の金融サービス部門会長 エズラ・マーキン氏
  • 仏ロレアル創業者の娘、リリアンヌ・ベタンクール氏
  • アパレル界の大物カール・シャピロ氏
  • スティーブン・スピルバーグ氏
  • ケヴィン・ベーコン氏
  • ノーベル平和賞受賞者のエリー・ウィーゼル氏
  • フェアフィールド・グリニッジ(イギリス)
  • HSBC(イギリス)
  • サンタンデール銀行(スペイン)
  • 野村HDなど日本の金融機関

また、名前は出ないものの、富裕層の退職者やユダヤ系を中心に多くの慈善団体が退職年金や基金を失っています。慈善団体の中には、この被害で解散を余儀なくされるところも少なくないようです。

 

⑤金融機関の責任

前項で金融機関の被害について触れましたが、実は金融機関は一方的に被害者なのかという議論もなされています。というのも、金融機関については、損失は受けたとしても、マドフの会社から多額の手数料を既に得ているからです。このため、この問題によって顧客への甚大な損害を与えた責任は追及されても仕方のないところです。

これほど多くの金融機関がマドフ氏のスキームを見抜くことに失敗し、多額の損害を被ったことは、業界にとって大打撃となると言われています。特にファンド・オブ・ファンズと呼ばれる、マドフのような投資信託に対する投資を収益源とするファンドは、本来、多数のファンド・マネジャーから最高の人材を選び、顧客の資金を分散投資することを至上命題としていますが、これらのプロフェッショナルがマドフ氏の経歴や名声に惑わされ、全く機能していなかったようなのです。

この問題に関しては、おそらく今後投資家から相当な数、金額の損害賠償請求がなされると予想されます。特に、後述の通り少数ながら専門家から相当な警告が出ていたことは重要な争点になるだろうと言われています。実際、現時点でも金融機関や一部の投資家に対しては、裁判所から「マドフの不正を知って投資し、得た利益を破産財団に支払え」という命令が出ているとのことです。

 

2)被害拡大の原因分析

本来ポンツィ・スキームはある程度規模が大きくなると資金が回らなくなり破綻するものです。それにもかかわらず、マドフ事件は史上最大級の経済犯罪と言われるまで被害規模が拡大しました。この原因の一つは、マドフ氏の経歴や人脈からくる、金融界を中心とした大きな信用でした。この信用がどのようなものであったか、そしてそれらがどのよう影響したかについて次に分析してみます。

 

①申し分ない経歴

マドフ氏は大学(アラバマ大学、ホフストラ大学。最終的には政治学専攻)を卒業した後、1960年に投資会社を設立、弟も大学卒業後の1970年に同社へ参加しています。

その後、ナスダック・ストック・マーケット(Nasdaq Stock Market、現ナスダックOMXグループ)会長や全米証券業協会(NASD)の評議員など、大きな地位を占めるようになりました。特に、NASDAQ会長時代は電子取引の整備によってNASDAQ市場を発展させる原動力となったと言われています。

米国だけではありません。マドフ氏はロンドン証券取引所における初の米国人メンバーの1人という大変な役目にも就いています。

このような経歴もあり、事件が明るみに出るまでは証券市場問題の専門家として、政府に多数の助言を与えていました。

 

②SECとの特殊な関係

米国のSEC(証券取引委員会)は、米国における証券取引を監視監督する役目を持った組織です。ウォール街の重鎮であったマドフ氏は、本来自らが監視監督されるべき組織における有力な当局者数人と親しい間柄にありました。また、SEC自体もマドフ氏に意見を求めることが多くありました。

これに加え、マドフ氏の姪(マドフ氏のファンドにおけるコンプライアンス担当弁護士)は、2003年に同社のマーケットメーク部門の帳簿を検査したSECのチームの元メンバーと結婚しています。

このような特殊関係は、当局による調査へ少なからず影響を与えてしまっていたようです。

後にCFE(公認不正検査士)となったハリー・マルコポロス氏は、マドフ氏が「ポンツィ・スキームに手を染めている」という疑いについて、2000年、2005年の2回に渡ってSECに対して警告を発しています。

この訴えに基づき、SECは2006年1月になってようやく、マドフ氏本人や関係者の調査を開始しました。その際SECは、マドフ氏がファンドの投資戦略の性質について調査員に事実と異なった説明を行っていたこと、また顧客企業の投資口座の詳しい情報を調査員に正確に伝えなかったことを把握していたとのことです。しかしながら、SECは「最終的に強制調査を行うほどの違反ではない」として、調査を打ち切っています。後で言っても仕方のない事ですが、ここで発覚していれば、その後急激に増加した被害は防げたとも言えます。

なおSEC委員長のクリストファー・コックス氏は後に組織の過ちを認め、この事件に対してSECが取った対応には「大いに問題がある」と述べています。

 

③ユダヤ系人脈

単に金融・証券の世界だけで大物と言われていた訳ではありません。ユダヤ人のマドフ氏は、米国で極めて強い影響力を持つユダヤ人社会においても有力者として認められていました。彼はユダヤ系慈善家として非常に名声を得ており、「あの人が言うことだから間違いない(ニューヨーク在住のユダヤ系男性)」と言われるほどの人物として信用されていました。

 

④形ばかりの会計事務所

マドフ氏の会社は、一応公認会計士による監査を受けていました。しかしその会計事務所は、ニューヨークの近郊の新興都市にあり、パートナー含め 3 名の小さな事務所でした。この所長は義理の父親が引退する際に事務所を引継ぎ、約20年もの長期間マドフの会社を監査してきました。

マドフ氏の主張通りであれば、これだけの取扱高と複雑な取引をこなす規模の大きな会社を、このような小規模な事務所で監査することは不可能です。監査報酬はそれなりに高かったようですが、それとて監査に必要となる人員があってのことで、監査の実態が無ければ単なる口止め料に過ぎません。

 

⑤出されていた警告

マドフ氏のライバル投資家で後にCFE(公認不正検査士)となったハリー・マルコポロス(Harry Markopolos)氏は、2000年という早い段階で、マドフ氏がポンツィ・スキームに手を染めているという疑いを認識し、2005年11月7日付のSECあて文書において、マドフ氏による投資スキームの正当性と合法性に異議を唱え、13に上る不正の兆候を明示していました。

投資助言会社アクシアは、マドフ氏が売買していると主張したS&P100株価指数のオプション市場は、同氏のファンドほど大規模なポートフォリオには小さすぎると結論づけました。またアクシアは顧客に対し、マドフ氏に投資しないよう助言しています。

定量分析を手がける調査会社MPIも、顧客に同様の助言をしています。これは2006年に行った分析で、マドフ氏のリターンを生むような理論的戦略を見つけられなかったことが主な原因です。唯一、密接な関連性を見つけられたのは、その1年前にポンツィ・スキームによる詐欺が発覚して破綻したヘッジファンド、バイユーのリターンだけだったそうです。

 

⑥秘密主義と名声

今となってみれば、マドフ氏が手がけた投資事業の秘密主義と名声こそが危険信号であったと言えます。

例えば、顧客とフィーダーファンドの運用責任者は、自分たちがマドフ氏の会社に持つ証券口座にオンラインでアクセスすることを認められませんでした。

また、本来マドフ氏のような運用スタンスを採る場合には高度なITシステムが必要なのですが、実際には社内に貧弱なパソコンが置いてあるだけだった都のことです。

このような形で、マドフ氏の投資事業は全くのブラックボックスとなっており、グループ内の大規模なブローカー・ディーラー部門とは完全に切り離された小さなチームが運営していました。

このように暗闇に置かれていた顧客たちも、偽りの高利回りが続く限りは気にかけなかったようで、マドフ氏に戦略を明かすよう求めることは、「コカ・コーラに魔法の製法を見せてくれと要求するのと同じくらい馬鹿げたこと」だと受け止められていました。

 

次回は、本題である「AIJ投資顧問事件」についてご説明します。

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「事例研究:ポンツィスキーム ~AIJ投資顧問事件、バーナード・マドフ事件~」(1/5)

2013年2月8日

0.はじめに

「年率○○%の、絶対儲かる投資話があるんです!」

こんな話を持ち込まれても、普通の感覚を持った人なら「そんなうまい話があるか!」と、むしろ疑ってしまいますよね。

しかし、その相手の周りにはいわゆる「セレブ」ばかりで、しかもそのセレブたちが実際に儲けを手にしているところを目の当たりにしたら。また、自分の親しい友人までが「あの人はすごい、ホンモノだよ」などと話をはじめたら。

あなたはそれでもこの投資話、自信を持って断ることができますか?

そんな話が出てきたら、「ポンツィ・スキーム」を疑ってみるべきです。

 

このコラムは、何度かに分けてこの「ポンツィ・スキーム」について解説します。

最近話題になった「マドフ事件」や「AIJ投資顧問事件」についてもご紹介する予定です。

 

1.ポンツィ・スキームとは

1)チャールズ(カルロ)・ポンツィ

「ポンツィ・スキーム」の由来は、この詐欺師の名前そのものです。

この男「チャールズ(カルロ)・ポンツィ」は、1882年3月3日、イタリア・ルーゴに生まれています。その後、21歳だった1903年、アメリカに上陸しました。

アメリカに渡ったポンツィは、職を転々とした後ボストンにて「国際返信用クーポン」(国際通信用に、返信用切手と交換できるクーポンの付いた切手。郵便に使うという機能は共通ながら国によって物価が異なるため、安い国で買い、高い国で換金すると、理屈上は差益が得られる)の大量購入、換金という、当時流行りを見せていた鞘取りビジネスでひと儲けを目論見ますが、敢え無く失敗してしまいます。

ここでめげないのがポンツィの強みだったのでしょうか、失敗したにも関わらず、鞘取りのスキームによる投資を目的として、1919年12月、ボストンに会社を立ち上げます。当時の投資家に対する売り文句は、「たったの数十日で50%の利益が出る」というものでした。この投資会社は人気を呼び、ニューイングランドを中心に数千人から数百万ドルもの大金を集めたと言われています。

しかし、そもそもこのビジネスはそんなにうまくいくものではありませんでした。実の所、ポンツィは「先に投資した人に対し、後から投資した人の資金を使って配当」していたのでした。実は、この「自転車操業的」配当こそが、ポンツィ・スキームの本質であると言っても過言ではありません。

さて、事態は急転直下となります。1920年7月、ザ・ボストン・ポスト(新聞)が、ポンツィが行うビジネスの合法性を疑問視する記事を大々的に掲載します。この結果ポンツィは、裁判所からの命令によって新規投資の受付を禁止されてしまいます。

ポンツィの手口が有効に回るには、「配当に見せかけるための新たな資金が入り続ける」ことが絶対条件ですから、このように新規投資受付を禁じられるとあっという間に破綻してしまいました。この結果、彼は詐欺罪で有罪となり刑務所に収容されることとなりました。

ポンツィは出所後も数度の詐欺を働き、実質的にアメリカ市民権を剥奪されます。その後1934年出身国のイタリアに戻り、さらに第二次世界大戦が勃発するとさらにブラジルに渡っています。この間、いわゆる原野商法など、現在の経済詐欺の原型となるようなスキームに次々と手を染めていたそうです。

詐欺師の王道とも言うべきポンツィですが、結局晩年は心臓発作や脳障害、視力障害などに苦しみ、1949年、貧しいままリオデジャネイロ市内の慈善病院で67年の生涯を閉じています。

 

2)ポンツィ・スキームの特徴

ポンツィ・スキームという名前が一般的でないからか、日本でこの手の事件が明るみに出た際には「ねずみ講」と呼ばれることが多いようです。しかしこの表現は正しくありません。

ねずみ講とは、法律上は無限連鎖講(むげんれんさこう)と呼ばれ、一人の上位会員に対して二人以上増加する下位会員から金銭を徴収し、その金銭を上位会員に分配することで、その上位会員が、自らの支払った金品を上回る配当を受けることを目的としてピラミッド型の組織を構築する詐欺の手法を言います。

このねずみ講で上位の会員が利益を得るためには、当然下位の会員は上位の会員よりも多く存在する必要がありますので、ねずみが子孫を大きく増やすように組織が拡大することからこの名前が付けられました。もちろん金品を払う下位の参加者が無限に増加するということはありえないため、途中で必ず破綻します。日本では無限連鎖講の防止に関する法律で禁止されています。

これに対してポンツィ・スキームの特徴は、詐欺の首謀者が広く多数から資金を集め、この集めた資金の大半または全てを配当に見せかけて支払うことで、虚偽の運用実績を提示するところにあります。前述のねずみ講とは異なりピラミッド型の組織は必要とされず、首謀者が集まる資金を比較的自由に使える点が特徴であると言えます。

うまくこのスキームが構築されると首謀者には短期間かつ連続的に大きな資金が集まりますので、首謀者がその資金を乱用しやすい不正となっています。また信用を得るため一部の者への配当として多額の資金が流出するため、発覚、摘発されても損害の額に対して十分な賠償を得られない場合が多いようです。

 

次回は、ポンツィ・スキームの中でも史上最大規模と言われている「バーナード・マドフ事件」についてご説明します。

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会計監査人非設置会社において注意すべき期末の不正会計(セミナー告知)

2013年1月20日

来る2月19日(火)、日本監査役協会関西支部にて、「会計監査人非設置会社において注意すべき期末の不正会計-経理・法務経験のない監査役のためのスキルアップ」と題したセミナーの講師をさせて頂くことになっております。

「会計監査人非設置会社」というと堅苦しいのですが、中小規模の会社で社内のリソースが十分ではなく、また経理等の経験もそれほどない監査役が就任している場合、どのように不正と対峙していくべきか、についてのお話となります。
時間が限られておりますが、できる限り興味深い事例と、すぐに使える防止・発見ノウハウをお話できるよう準備を進めている所です。

聴講は監査役協会会員の監査役に限られる点少々残念ですが、もし該当する方、知り合いに該当する方がおられましたらご参加ご検討ください。

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開催日時:平成25年2月19日(火) 午後3時~4時30分
開催場所:公益社団法人 日本監査役協会 関西支部会議室
〒530-0004 大阪市北区堂島浜1‐4‐16 アクア堂島西館15階

概要
1.総論
中小会社の会計不正と監査役の関係などについて説明します。
2.事例と対策
在庫計上、循環取引、架空販売、架空人件費、横領などいくつかの手口をリストアップし、事例と対策をご説明します。
3.まとめと対策
上の事例を受け、採りうる対策をまとめます。

以上

第1回CFE研究会東西交流会

2011年1月28日

先日(1月26日)、東京不正検査研究会、不正の早期発見研究会、関西不正検査研究会の三研究会が合同で、第1回目となる東西交流会が開催されました。
今回は東京不正検査研究会さんが主催で、芝浦港南区民センターを会場に、各会の会員及びACFEジャパンの安田事務局長を加え18名の参加となりました。

ただ、私はきちんと参加連絡をしていなかったようで…
大変ご迷惑をお掛けしました m(_ _)m > 皆様

司会の米澤勝さん(東京不正検査研究会)からご挨拶のあと、各研究会の紹介がありました。三会だけではなく、現在は東海や業種別の研究会も設立されているようですので、これからも盛会になりそうな気がします。

その後、第一部は関西の山口利昭さんから「不正調査と刑事告訴」というテーマで発表していただきました。
弁護士さん以外にはなかなかなじみの少ない「事実認定の方法」や「事情聴取」に加え、いつもながら豊富な実務経験に基づく興味深いお話を頂きました。

第二部は東京の高橋孝治さんから「不公正ファイナンス」についてお話頂きました。
今年冒頭から日経でも特集されるなど、第三者割当増資や現物出資を悪用した不公正ファイナンスは、日本の証券市場の恥部と言っても良い程大きな問題になっていると思います。この問題について、法令や事例を基礎として詳しくお話頂きました。

その後品川に移動し、「創作ダイニング土間」さんにて懇親会。
時間の関係でお話できなかったことや、全く関係のない話まで、じっくりと楽しく過ごせました。

次回(来年?)は関西での開催ということになるかと思いますが、ジャパンカンファレンス同様一層盛り上がるようにと願う次第です。
ご参加の皆様、特に開催頂いた東京不正検査研究会の皆様、米澤様ありがとうございました。

ACFEジャパンセミナー

2010年10月25日

皆さんこんにちは。Whistle Technologyの塩尻明夫(CFE)です。
さて、来る11月27日(土)、大阪本町つるやホールにて、ACFEジャパンセミナーが開催されます。
詳細は下記の通りですが、後半にて私が3時間ほどお時間を頂き、「不正と内部統制」について講義する事になっております。
大阪で本格的なセミナーが開催される機会はまだ少なく、新たに必要となった倫理ポイントなど、CPE獲得のためにもぜひお申し込み下さい。

①10:00~13:00 CFEのための倫理セミナー
組織における不正防止の専門家として、CFEには職務遂行にあたって高い倫理観が求められており、同時に、企業の倫理的風土向上へのリーダーシップを発揮することも期待されています。一方で、企業において「倫理」という言葉は多用されているものの、その意義を役職員間の共通認識に高めるのは容易ではありません。

本講座では、ACFEが定めるCFEの職業倫理規程に即して倫理の意義を解説するとともに、組織倫理向上の要点と、実践に向けたリーダーシップを発揮するためのポイントを示します。

講師は甘粕潔さん(日本公認不正検査士協会理事)です。

②14:00-16:50 不正と内部統制/ACFEアニュアルカンファレンス報告
不正防止には不正リスクマネジメントが極めて重要な役割を担います。また不正リスクマネジメントを実施する際には、財務報告やコーポレートガバナンスと同様、内部統制、特に統制環境の整備が非常に重要となります。本セミナーにおいては、その活用についてご説明します。

また、7月末にワシントンDCで行われましたACFEのアニュアルカンファレンスに参加しましたので、その際の様子や受講したセッションなどについて可能な限りご報告します。

ACFE JAPAN 第1回カンファレンス

2010年10月16日

皆さんこんにちは。Whistle Technologyの塩尻明夫(CFE)です。
去る10月13日、東京は品川カンファレンスセンターで開催されました「ACFE JAPANカンファレンス」の記念すべき第1回に出席して参りました。
私も、前半の数十分だけ、世話人をさせて頂いている「関西不正検査研究会」のご紹介として喋ってきました。

なお公式の開催速報はこちらです。

先日ご報告した本部のカンファレンスとはまだ比較にならないくらい小さいカンファレンスですが、それでもACFEのジョナサン・ターナー理事長、八田進二先生や金融庁の佐々木清隆さん、ブログで超有名な弁護士の山口利昭先生をはじめ多忙な皆さんが参加、有意義な報告・パネルディスカッションとなりました。

懇親会の席でジョナサン・ターナー理事長が「各地のアニュアルカンファレンスに出席したが、第1回としては最も成功したカンファレンスではないか」という挨拶をされていました。

ターナーさんにはアニュアルカンファレンスで一言だけご挨拶していたのですが、その際はでかい会場で気が引けていたこともあり、気の利いた事も言えてませんでした。今回は懇親会で今後日本のCFEやAnti-Fraud市場など(あくまで適当感がありますが)割とお話ができてなかなか有意義でした。

余談ですが、懇親会を少し早く失礼し、その後別件の仕事をこなしたあとホテルで休もうと思っていると、LinkedInにてプロフィールをチェック・コネクト依頼されたとのメールが(早い!)。
やっぱりFacbookとLinkedIn等メジャーな所には登録しとかないとって痛感しました。

ACFE 第21回アニュアルカンファレンス参加報告(3)

2010年9月26日

3.旅程、料金、宿泊費など
①参加費用
 フル・カンファレンスに参加すると、ACFEメンバーの早期申し込みの場合$1,295かかります。ところが、D-Questの脇山社長がACFEに交渉して「ACFEジャパンのスペシャルレート」を毎年獲得してくれています。このレートは$995となっています。
 私の場合、ポストカンファレンスには日程の関係で参加出来なかったのですが、スペシャルレートだとプレカンファレンスとメインカンファレンスを単体で申し込むより安いという状態でした。
 なお、毎年抽選による当選者は次回の参加費用と旅費の一部が無料になるという企画もあります。人ごとと思っていましたら、今回ACFEジャパンから参加された石原さんは昨年これに当選され、その権利を行使して参加されたそうです。

②宿泊費用
 Gaylord National(ゲイロードナショナル)というコンベンションホール併設のリゾートホテルが宿泊先です。このホテル、ワシントンDCエリアであることをアピールしていますが、実はワシントンDCからは割と遠く、メリーランド州に所在しています。
 割と広いツインの部屋を出て一度ロビーに降り、建物の中を移動すると3分と係らずコンベンションセンターに入れます。
 建物内はどこも強烈にエアコンが効いており、当時日本以上だった外の暑さを全く感じることがありませんでした。温暖化防止などどこ吹く風といった感じです。
 宿泊費は、カンファレンス参加者の特別レートということで一泊通常$239のところが$209(これに消費税$33.44とリゾートフィー$15.9が追加される)×4泊となっています。高いようですが、ここの場合はこのホテルに泊まるのが移動を考えるとベストのようです。
 概して、幸いというか円高なのもあって、参加、滞在費用等はあまり負担感がありませんでした。

③旅費
 太平洋線が14時間~15時間係りますので、疲れを考えてビジネスにするとどうしても割高になってしまいます。仕事や旅行など「ついで」のある方ならちょうど良いと思いますが、私のようにこれだけが目的の場合は結構予算的にきついところです。ツアーを組み合わせるなど、ちょっと工夫が要るかもしれません。

④食費
 カンファレンス参加費には、ウェルカムパーティ参加費やほとんどの日の朝食、昼食が含まれています。それ以外の夕食などについては別途となります。

<参加しての感想>
1)カンファレンスの内容
 皆さんもお気づきと思いますが、まずは「セッションの数が多い!」ことに驚かされます。申し込みの際は、いろいろなセッションの選択を迷いながらも「まぁ埋め草的なものもあるんだろうな」と漠然と感じておりました。
 ところが、参加してみると大間違いでした。少なくとも私の受けたセッションは全て立ち見が出るほどの超満員でしたが、他の部屋も覗いてみた限り閑散としたところが全くありません。
 もっと驚くのはセッションの進め方です。ほぼ全てのセッションで、講師が精力的に喋ると同時に参加者から質問や議論が投げかけられ、ディスカッションに近い形式で進んでいきます。一般的に講師から参加者への一方的な情報伝達が主となっている日本のセミナーなどとは相当違うものを感じました。
 先にご紹介した岩田さんによると、この理由は、子供時代から学校でこういう授業の進め方をしていることが原因だろうということでした。

2)会場
 セッション数も多いためかなり広い場所、多くの部屋が確保されています。ただ同じ建物内に集中しているため、移動に苦労はありません。トイレや飲料、ソファなども十分に確保されていて、なかなか快適です。
 また時差の関係もあり昼からのセッションはかなり眠くなることもあったのですが、部屋に帰って仮眠してから出てくることも可能でしたので助かりました。
 ただ土地柄というか、周りに他の施設が少ししかない場所だったので、同時に観光したい人にとってはちょっと不便だったかもしれません。
 ちょっと疑問だったのは、セッション会場に置かれている椅子です。いわゆるアメリカンサイズの方々が相当数参加していたのですが、使われていた椅子は、日本のホテルで立食パーティの壁に置かれているあの椅子と同じようなサイズのもの。私でも少し窮屈なくらいなので、すし詰めな状態の受講は皆さん相当きつかったのではないでしょうか?

3)なぜ参加したか?
 実はラスベガスで行われた第20回に参加したかったのですが、スケジュールの都合でかなわず、今回が初となりました。
 日本はアメリカのように不正が多くない、という考え方が全くの幻想となりつつあるという現実は、企業経営や法務に関係する方のほとんどが理解しておられると思います。むしろ、先ほどご紹介した参加者との会話の通り、「不正を正視しようとしない」経営者がより多いことが本質ではないかと思います。
 米国などで注目を浴びているものが、間をおいて日本でも普及することは今でもありますので、不正関連業務についても今後の広がりが十分に予想できます。公認不正検査士という肩書きを外せばあまり期待したくない動きですが、残念ながら日本においても、今後不正関連業務は中小企業や個人に至るまで必要となる可能性が否定出来ません。
 私は現在、統制環境整備や不正リスクマネジメントをベースとした中小企業向け会計・税務業務の提供を計画していますが、そのためにも現在の日本で得られるより新しく、幅広く、深い情報が必要であると感じていました。
 この目的からみて、今回、たくさんのセッションを受け、関連企業の展示をつぶさに見ることが出来たのは大変良い経験でした。

4)ローカルチャプターとACFEジャパン
 ご存じの方もと思いますが、本来ACFEは世界単一会制を採っています。そして、各国・地方の会員単位として「ローカルチャプター」という下部組織が定められています。
 これに対して、これまた脇山社長を初めとする皆様のご努力で、日本のみ「ACFEジャパン」という独立した団体を設立し、ACFE本部とある意味対等に存在するという形となっています。この立ち位置が、おそらくスペシャルレートなどにつながっているのではないかと推察します。
 しかし、本当にこのままでいいのか、私には疑問が残ります。現在はACFEジャパンがマニュアルやFraudマガジンの翻訳など、日本語化に努力しておられますが、反面、不正調査と言う、「今後発展する可能性のある、幅広くチャンスのある仕事」について、例えばかつての会計の世界のように日本だけが日本語の壁に閉ざされていていいのかという疑問が以前からありました。
 今後は、ACFEジャパンという独立した組織のメリットは活かしながら、活発かつ力のあるローカルチャプターとしての活躍も進めていければ良いのではないかと思っています。

<来年について>
 第22回のアニュアルカンファレンスは、2011年7月12日~17日に開催されます。既に申込受付が開始されていますが、ACFEジャパン向けのスペシャルレートについては不明となっています。参加希望の方は、この発表を待ってからの方がよいかもしれません。

以上

(この3記事は、第3期関西不正検査研究会での発表資料をベースに作成されています)

ACFE 第21回アニュアルカンファレンス参加報告(2)

2010年9月23日

<参加イベント(26~28日)> 続き

<Track C>
Knowing What You Do Not Know: Emerging Trends and Issues
最近のトピック

<Track D>
Finding and Fighting Fraud Through Auditing
監査における不正対応

<Track E>
The Impact of Technology in the Fight Against Fraud
不正との闘いにITが与える影響
(受けたもの)
・ The First Eleven Places You Look When Investigating on the Internet
ネット上で調査をするにあたって便利なツールや、インターネットサイト、及びその使い方を紹介していました。グーグルなど日本で既にメジャーなものもありましたし、SNSのバックドア検索や企業情報検索など初耳なツール・サイトもあり、大変興味深いものでした。
・ Using Computer Forensics to Prevent and Detect Fraud
これも事前のレジュメがなかったので十分聞き取れないか…と思ったのですが、やはりIT用語はわかりやすくて助かりました。昨今の記憶容量増加がデジタル・フォレンジクスに与える問題や、PC調査の際なぜいきなりプラグを抜くか、USBのユニークIDがどこに保存されているかなど実務的な話題を紹介していました。
・ The Monster Fraud List: Developing a Comprehensive Library of Fraud Detection Tests
不正調査のために利用する、不正のトライアングルからみたデータ分析手法についての説明がありました。統計学を利用したり、テキストマイニングを利用したり、不正に利用される単語を使ったEメール分析といったITを高度に利用した手法が紹介されました。SOX法監査は「ルールベース」であるが、不正対応はそれだけでは十分でないという、考えてみれば当たり前の点を強調していたのが印象に残りました。

<Track F>
Coloring Inside the Lines: Compliance and Risk Assessment
コンプライアンスとリスク評価
(受けたもの)
・ Mitigating Risk: A Legal Perspective for Audit and Compliance Departments
本カンファレンスの「プログラム・ディレクター」でもあるブルース・ドリス氏が担当のセッションです。公務員のプライバシーに関する判例、「Honest Services Statute(正直なサービス法?)」という不正に関する法律についての注目の判例、PCAOBの違憲性に関する判例など、不正調査・防止業務に関連する判例を解説していました。ドリス氏の話術はさすがに巧みで、参加者からの質問、議論が最も活発だったのが印象的でした。

<Track G>
Addressing the Legal and Ethical Issues of Fraud
不正の法的、倫理的側面への対応

<Track H>
Identifying and Implementing Best Practices
ベストプラクティスの認識と準備

<Track I>
Learning the Hard Way: Case Studies
ケーススタディ

<Track J>
No Unique Problems: International Anti-Fraud Efforts
国際的な不正対応の努力

<Track K>
Exhibitor Education and Presentations
展示企業のセミナー・プレゼンテーション

<Keynote Speakers>
 朝食時や昼食時には、大会場に参加者を集めて講演がありました。事前のレジュメが手に入らなかったので細部まで内容が理解出来なかったのは残念ですが、それでも相当興味深い話が多くありました。詳細についてはACFEジャパンのページに日本語のレポートがありますのでまたご覧下さい。
・ Working Lunch(26日)
サブプライムローンなどの金融危機を解決するため、金融安定化法の一環としてTARP(Troubled Asset Relief Program)という制度が出来ました。これは、一種の公的な不良資産買取制度です。
スピーカーのニール・バロフスキー氏は、このTARPを悪用して公的資金を不正に取得することを防ぐ「Special Inspector General of TARP」に所属しています。この中で、TARPに関連する不正調査に従事した業務経験について話がありました。
・ General Session(27日)
スピーカーのアービング・ピカード氏は大規模なポンツィ・スキームによる不正を行ったマドフ事業の破産管財人を務める弁護士事務所のパートナーです。このセッションにおいては、破産管財人としてどのように不正を暴き、資金の流れを解明し、回収し続けているかについての話がありました。
・ Working Lunch(27日)
スピーカーのジェームズ・T・リース博士は、25年に渡りFBIに勤め、犯罪者プロファイリングなどを行ってきました。この後コンサルティング会社を設立し、現在に至っています。冗談も多くてかなり聴き取りにくかったのですが、CFEがどのような姿勢を持ち、常に高いレベルのスキルを求めなければならないかについての話がありました。
・ General Session & Closing(28日)
締めのスピーチとして、ジャスティン・ペーパニー氏による講演がありました。ペーパニー氏はUBSやメリルリンチ、ベアスターンズなどで証券投資を行っていたブローカーです。顧客からのパフォーマンス要求により、誘惑に負けてポンツィ・スキームによる不正に手を染めてしまったことや、逮捕、収監、そして現在の困難などの生々しい話がありました。
ACFE年次総会は毎年、総会の最終日の基調講演として、不正行為によって逮捕・収監された者をスピーカーとして招いています。このスピーカーには報酬は支払われませんが、何らかの犯罪者更正プログラムの一環なのではないかと思います。

< 参加イベント(その他)>
3)その他
①表彰式が非常に多い
・ クリフ・ロバートソン・センティネル・アワード
・ チャプターオブザイヤー
・ チャプターニュースオブザイヤー
・ リサーチコミュニティサービス賞
・ CFEテスト最高点賞
・ エデュケーターオブザイヤー
  などなど…

②エキシビション
・ 40以上の企業、大学、団体などが展示、セミナー実施
・ LexisNexisなど日本サービス提供している企業(私は知りませんでしたが)もありますが、ほとんどはあまりまだ日本で知られていない会社ばかりでした。
・ ただ、各々の企業が提供するサービスは、法律や文化の違いはあっても、近々に必要になると感じられるものばかりでした。
例:新日鐵ソリューションとNorkom Technologies(アイルランド)の提携など
・ その他、リクルーティングを目的にしたものや、キャリアアップのための大学のブースなどもありました。

③朝食
 カンファレンス期間中は、毎日エキシビションホールで朝食が用意されます。立食のビュッフェ形式でたくさん用意されているのですが、やはりというか味はそれなり…でした。会話にもあまり自信はありませんが、出来るだけいろんな方と話すように心がけてみました。
 お話出来た方のうち、興味深かったのは、
・ ホワイトカラー犯罪対策コンサルタント
ニュースレター「White Collar Crime Fighter」を発行していたので、一部もらってきました。
日本の中小企業経営者が不正や不正リスクにフォーカス出来ておらず、不正リスクマネジメントや調査、防止業務が伸びにくい旨の話をしたのですが、程度の差こそあれアメリカでも中小企業経営者は同じ問題を抱えているとのことでした。
・ フロリダにある会計事務所のパートナー会計士
「マドフの会計士を知っているか」と聞いてみたのですが、フロリダだけでも会計士は多すぎて全く知らないとのことでした。
・ 「オランダ領アンティル」(カリブ海の島国)からの参加者
政府関連の仕事をしているとのことでしたが、イマイチ理解できていません。
余談ですが、この国は「日本のシンドラー」と呼ばれた杉浦千畝がリトアニアで発行した大半の通過ビザにおいて最終目的地とされていたそうです。

4)アフター5
 いきなり日本語で話しかけられたと思ったら「リソース・グローバル(NY)」で働いておられる岩田潤さん(CPA/CFE)でした。高校から海外経験の長い岩田さんは、ご両親が日本におられたり国籍が日本のままではあったりするものの、それ以外はいわゆる日本人とはかけはなれた生活や考え方なのが印象的でした。
 D-Quest脇山社長、石原さん、今村さんには途中でお会いできたのですが、26,27日の夜は岩田さんも合流して楽しい飲みとなりました。海外の場合一人ではさすがに遅くまで飲みに出ないのですが、数日ぶりの日本語でずいぶん楽しくリラックスさせて頂きました。

次回に続く

ACFE 第21回アニュアルカンファレンス参加報告(1)

2010年9月20日

<はじめに>
 7月末、米国ワシントンDCで行われた、不正検査士協会のアニュアルカンファレンスに参加して参りましたので、その内容や感想についてご報告申し上げます。
 英語力の貧弱さや、また単身での参加ということもあり、内容が完全に網羅出来ていない点については何卒ご容赦下さい。

<カンファレンスの概要>
1.正式名称
21st Annual ACFE Fraud Conference and Exhibition

2.日程
・プレカンファレンス(25日)
・メインカンファレンス(26~28日)
・ポストカンファレンス(29~30日)
の三部構成となっています。

<参加イベント(25日)>
①受付
 大量の資料とバッグ、カップなどのノベルティが渡される。

②Pre Conference
 メインカンファレンスに先立ち、プレカンファレンスが行われました。
 プレカンファレンスは、「デジタル・フォレンジクス」と「FCPA(米国腐敗防止法)」の2テーマです。私は後者を選んだのですが、以前この勉強会で研修して頂いた知識が基本にありましたので、ある程度スムーズに聞くことができました。FCPAの制度、ペナルティの説明や事例、また海外での不正をどのように防止・発見するか、その場合のフィーなどについても、参加者と講師との間で活発な議論がありました。

③ウェルカムパーティ
 プレカンファレンス後、コンベンションホールでウェルカムパーティが行われました。イベントとしてスピーチなどあるのかと思ったのですが、単なる立食パーティ的な感じで、何となく始まってなんとなく終わっていました。
 ただ、ホールにはいくつものブースが設けられ、不正調査や防止に関連したツールやサービスの展示、リクルートなどを目的とした様々な企業が出展していました。出来るだけたくさんのブースに立ち寄って担当者に話を聞いたり、パンフレットやノベルティをもらったりと積極的に活動してみましたが、やはりこの分野に関する米国市場の厚みを感じました。

<参加イベント(26~28日)>
①オープニングセレモニー
 こういう儀式は特に皆さん好きなんだろうなぁと思います。各参加国の旗を持って行進し、壇上に立てていくというFlag Processionが荘厳に行われました。集合場所を間違っていて危うかったのですが、後述の石原さんのおかげでなんとか参加することができました。

②メインカンファレンス
 それぞれのトラックごとに6セッション(一部のセッションは同内容が二回実施あり)が用意されています。これらのセッションは内容のレベルによって「ベーシック」と「インターミディエイト」に分類されています。これらの中から、26,27日は3講座、28日は2講座の計8講座を選択することになっています。
 また、それぞれのセッションの間、朝や昼に食事をしながらの講演も用意されています。

<Track A>
Eyes Wide Open: Fraud Awareness, Prevention and Detective
不正の認識、防止、発見
(受けたもの)
・Things That Most Auditors Don’t Do Well
監査人が調査を実施する上で、不正を発見するために効果的となる重要な業務、例えばウォークスルーや調査対象現場への立ち入りなどは十分に行われていません。これらについて、実例を挙げながら説明がありました。話の中で「現在プロフェッショナルスタンダードとして求められていなくても、状況によってはそれ以上のことをすべきである」と強調していた点については大変印象に残りました。

<Track B>
Taking Action: Fraud Detection, Investigating and Resolution
不正の発見、調査、解決
(受けたもの)
・Fraud Investigations: What Not To Do
「不正調査でやってはならないこと」と題して、不正調査の失敗事例を中心に、契約時の利益相反からインタビュー、文書作成や陪審への対応などまで幅広く説明していました。
・The Best of Crimes, the Worst of Crimes: Fraud Stories that Prove the Truth is in the Transactions
テキストマイニングなど、取引データの詳細な分析によって不正を発見する手法について細かく説明がありました。一定のキーワードを含むメールから不正取引をあぶり出したり、日報データと旅費データの比較を行ったりと、日本でも使えそうな項目が多く提示されていました。
・Lessons Learned from Examining The Oversight of Ponzi Schemes
マドフ事件についてSECの調査を担当したデービッド・コッツ監察官が、マドフ事件や同様のポンツィスキームであるアレン・スタンフォード事件について説明しました。ただ、このセッションだけはレジュメが事前に発表されておらず、ぼそぼそと早口なしゃべりだったため細かい点まで聞き取れなかったのが残念です。

次回に続く

開業準備アゲイン

2010年9月17日

皆さんこんにちは。

元々の本業である会計事務所の仕事が、この夏は結構大変で…
…といっても、別に巨大なスポット業務がきたとか景気のいい話ではありません。
人の入れ替えとか、改装とか、エアコンの故障とか、あんまり前向きではないことで時間を取られていました。
9月に入り、残暑の和らぎと共に漸く落ち着いて来ました。

ということで、遅れ遅れになっているWhistle Technologyの開業準備を再開いたします。

手始めに、7月末にワシントンDCにて参加してきました、ACFEのアニュアルカンファレンスについて記事にしていこうと思います。